二世帯住宅のリフォームは名義をどのようにするのか、悩んでしまう部分ですよね。核家族が増える中、両親と同居して三世代で仲良く暮らしたいと考える人も少なくありません。
リフォームは、このようなライフスタイルの違う家族が快適に暮らすための方法のひとつ。同じ屋根の下でも別の生活が送れるのは、それぞれの世代にとってもありがたいことになるでしょう。
そこで気になるのが、二世帯住宅のリフォーム時の名義についてです。家の名義は税金などの関連もありますので、事前に知っておくべき重要な点が色々とあります。
それでは早速ですが、これから二世帯住宅のリフォームで名義を考えている人に向けて、判断する大切な基準についてご紹介しましょう。
二世帯住宅の名義について
二世帯住宅で暮らしている家族は、名義がどのようになっているのか気になりますよね。そこで、二世帯住宅で多いケースについて見ていきましょう。
親の土地に二世帯住宅を建築する場合
よくあるのが、親の所有する土地に二世帯住宅を建てて一緒に暮らすというケースです。この場合は土地の名義は所有者の親のまま、家は共有名義にすることが一般的でしょう。
土地は親だから建物は子供の名義、という分け方にすることはほとんどありません。家の名義は「出資比率」に応じて決めるもので、仮に建築費用を半分ずつ負担して子供の名義にすると親の支出分は贈与としてみなされます。
ということは、贈与税が発生してしまう可能性があるのです。
相続時精算課税について
二世帯住宅を建てて将来のことを考え、親の土地の名義変更を検討することがあります。親が生きている間に子供に土地を譲ろうと思うのは、どのような親も同じ気持ちの可能性もあるでしょう。
しかし土地の名義変更には、贈与税がかかります。そんな時に選択できる技として「相続時精算課税」というものが存在します。
これは2500万円まで贈与税がかからない方法。しかし一度利用すると、それ以降は贈与者からの贈与について暦年課税には変更できない方法です。
将来の相続時には相続財産に加算されるなど、注意点があり使いづらいと感じる人もいるようですね。
二世帯住宅のリフォーム時の名義変更について
親が高齢になると同居を考える人は増え、家のリフォームを検討することもあるでしょう。二世帯住宅へリフォームした場合の名義について、大切なポイントをまとめましたのでぜひ参考にしてくださいね。
親名義のまま子供が費用負担してリフォームする場合
たとえば父親が所有する自宅を、二世帯住宅にリフォームする場合。親のためにと、子供が全額費用を負担するケースがあります。
すると法律上ではリフォームする部分を所有する父親に、子供から贈与されたとみなされて、父親が贈与税の支払いをする場合があるのです。
贈与税は相続税対策のため高い税率がかかり、このようなケースでも父親に負担がかかってしまう可能性があります。
非課税枠の110万円を差し引いた金額に税率がかけらますが、二世帯住宅のリフォームとなるとかなり高額な費用がかかるため、税金も比例して高額になる場合があります。
親子間売買をする
贈与税を回避するための策のひとつとして、リフォームをする前に家屋の名義変更を親から子供に変える方法があります。
子供名義になった自宅は自分の家のリフォームすることと同じで、所有権を変え減税制度を受けることも可能です。
そのためには、親が子供に住宅を売却して名義を変更します。家の売買代金は、建物の評価額よりも高い場合は売却した親に譲渡所得税が発生。
逆に安く売却すると親からの贈与だとみなされることもありますので、親子間の売買をする際は評価額を確認しておきましょう。
親から子供に名義を譲渡する場合
家の名義を親から子供へ譲渡する場合にも、税金がかかってしまいます。譲渡は引き換えの対価でなく、譲渡したことで得られる利益に対して20.315%の税金がかかるのです。
この「譲渡所得」と呼ばれるものは、譲渡代金から建物の取得金額を差し引いて算出。経年劣化している家は、価値低下を考慮のうえ金額を判断して譲渡所得を計算します。
仮に譲渡所得がマイナスになった場合は、譲渡所得税がかかりません。しかし名義変更や不動産取得税などの費用がありますので、ご注意くださいね。
二世帯住宅のリフォームは信頼できるプロに相談しよう
名義に関する質問やリフォームの具体的なプランなどは、信頼できるリフォーム業者にまずは相談してみましょう。
その際は次のポイントを意識して、リフォームを考えることをオススメします。
法律関係や助成金に詳しい業者を見つける
自治体によっては、二世帯住宅のリフォームをする際に助成金を支給する場合もあります。地域によって詳細は異なりますので、お住まいの自治体に問い合わせておくとよいでしょう。
またリフォーム業者にも法律に詳しいスタッフがいることもあり、助成金や名義変更などの複雑な疑問に答えてくれるかどうかもチェックが必要です。
ショールームに行こう
二世帯住宅はキッチンなどを完全に分けるタイプや、玄関を二つ作るなどあらゆるスタイルがあります。
キッチンのリフォームや浴室をバリアフリーにするなどの工事は、実際にショールームに出かけてチェックすることも大切です。
二世帯住宅のリフォームは、1,000万円以上かかる場合もありとても高額な出費。家族全員が満足するためには、ネットの評価をチェックしたり最新の設備を体験してみたりと情報収集を行いましょう。
投資を意識したリフォームも考えてみよう
二世帯住宅となると費用がかかるだけでなく、できるだけ長い間暮らすために将来を意識してリフォームのプランを立てることも大切です。
たとえば将来貸間として活用する計画がある場合は、自分の生活空間でなく他人の空間を意識した家づくりも頭に入れておかなければなりません。
子供が成長した時の駐車スペースをどうするか、家を売却する際にメリットになる間取りにするかなど。
大切な家を充分に機能させるためには、将来をイメージすることも忘れてはなりませんね。
まとめ
二世帯住宅のリフォーム時の名義はローンを誰が組むか、税金対策をどうするかなど、あらゆる視点から慎重に判断すべきことです。
税金については税理士に相談、またはリフォーム会社にアドバイスをしてもらうこともよいでしょう。